一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そして彼は一室しか空いていない部屋番号を押すとその部屋へと向かって無言で歩く。
手を引かれる私も彼の背中だけを見ながら、無言で後へ続く。
部屋の前で足を止めた彼は、一度ぎゅっと手に力を入れてからドアノブに手をかけ中へと入った。
少し薄暗い中はあからさまにそういう雰囲気で緊張で汗が止まらない。
自ら誘っておいて閉まったドアの前から動けずにいると彼がまた手を引いて歩き出した。
「っ、、、!」
そのままベッドへと向かうのだと思っていたが、彼が向かった先はシャワールームで浴室のドアを開けるとその中へと私を無理やり押し込んだ。
そして直ぐに浴室のドアを閉められた。
「っ、、暁人くん!?」
磨りガラス越しに彼に声をかけると、ずっと黙り込んでいた彼がようやく私の声に応えた。
『、、雨宿りですよね?だったら紗江さんが先にシャワーを浴びて下さい。』
「駄目だよ!!!私なんかよりも暁人くんの方が先にっ!」
『それだったらもう出ましょう。』
初めて耳にする彼の低い声に冷や汗が流れる。