一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そう言うと握られた手に力が入った。
不安に思っているのだろうか。
彼の表情は少し硬くて心配になってしまう。
社内で絶大な人気のある彼。
そんな彼と私みたいな女が付き合い出して、それも結婚を視野に入れたものだと知れたらきっと大ブーイングだ。
彼に見合う人だったら何の不都合も無かったんだろうけど、綺麗でも可愛い訳でもない私と交際で彼の価値を下げてしまう気がして怖い。
私が何か言われるのは構わない。
でも彼を悪く言われるのは嫌なのだ。
そう、、思っていたけれどそれが彼を不安にさせてしまうなら何の意味もない。
彼に握られている手をこちらからも強く握り返して小さく呟く。
「、、真木さん、やっぱり内緒にするのはやめます。」
「え?」
「そ、そろそろ始業時刻ですね!朝一に纏めなきゃいけない書類があるの忘れていたので一足先に行きますね。お2人はごゆっくりどうぞ。じゃあ行こう〝暁人くん〟。」
『紗江さん、、?』
そう言って戸惑う彼の手を引き足早に部署へと向かった。
行き交う人はチラチラと繋がれた手と私達に視線を向けているのが分かる。