一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
それでも手を離さずに部署へと向かう。
そして互いの部署の前にたどり着くと、手を握ったまま彼の方へと振り返る。
向かいあった私達に一斉に視線が向いて、こちらに聞く耳を立てているのが分かる。
その好奇的な視線に少し恐怖を感じたが一度深く深呼吸をして、気持ちを整えると彼だけを見つめながら声を掛けた。
「、、暁人くん。今日は外回り?夜は会食があったりする?」
『いえ、今日は会食の予定はありませんが、、紗江さん?どうされました、、?』
「それなら、、そのっ、、一緒に帰ろう?」
『っ俺は嬉しい限りですが、紗江さんは、、いいんですか?そんな事したらきっと、、。』
私達の関係がバレてしまう。
彼はそう言いかけて口を噤んだ。
周囲の刺さるような視線に気づき内緒にしたいと言った私の為に黙り込んだ彼。
その優しさに温かくなって、もう一度繋いだ手を強く握りしめた。
「暁人くんは忙しいから毎日一緒には居られないでしょう?だから帰れる時は一緒に帰ろう?だって私達はこ、恋人同士なんだからっ、、、!!!」
そう言い終わると途端に恥ずかしさが込み上げてきて周囲の反応を見るのが怖くて俯く。