一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「あら、、紗江?と暁人くんじゃない。」
振り返るとそこにはこんな時間にいるはずのない母親の姿。
まさかこんな早い時間に母が帰ってくるなんて予想していなかった。
私達の顔を交互に見た後に繋がれた手に視線が向かったのが分かって、息を飲んだ。
何を言われるのか怖くなって目を強く瞑る。
『ご無沙汰しております、知恵さん。』
知恵とは母親の名前だ。
彼が母に声を掛けた瞬間、握られた手に力が込められたのが分かった。
きっと彼も緊張してるんだ。
その言葉に母は一体なんと答えるか、勇気を振り絞って目を開けて母の言葉を待つと聞こえてきたのは意外な言葉。
「久しぶりね?暁人くん!おかえりなさい。紗江もお帰り。早く入って〜?そのスーパーの袋を見る限り、紗江が夕飯作ってくれるんでしょ?」
「え!?う、うん。作るよ。」
「紗江のご飯美味しいから、今日は早く帰ってきてラッキーだったわ〜。ほら、2人とも早く入っちゃいなさいよ。」
そう言って背中を押された。
2人が手を繋いで帰ってきた事に対してこれといった反応はなく、いつも通りの母。