一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


どれだけ長い間、彼を傷つけてきたんだろう。


悪気のないモノ程、怖いモノは無い。









辛く悲しい幼少期を過ごしてきた彼なのに、更に私の所為でこれだけ長い間辛い思いをさせてしまった。


、、片想いは辛い。






私も幾度となく経験してきた。

その度に涙を流して、別れが来る度に身を引き裂かれる思いをした。








そんな辛い思いを彼にさせてしまっていたなんて、、。


今改めて冷静に思えば、酷い女だ。





















今更、都合が良すぎるんじゃない?








そう思うと情けない事に涙が滲んできてしまう。


溢れそうな涙を必死に耐えていると、彼の柔らかい優しい声が耳に響く。

















『紗江さんは何一つ悪くありません。、、紗江さんに出会えたから今があるんです。紗江さんを想って過ごした日々は暗い闇を生きる〝希望〟でしかなくて、そこに辛さや悲しさなんて感じた事はありませんでした。だから紗江さんに片想いしていた時もずっと幸せでしたよ。』






彼の温かい言葉に涙も止まり、俯いていた顔を上げて隣を見る。

目が合った彼は優しく微笑んでくれていて、今の言葉はその場で取り繕ったモノじゃなくて嘘偽りの無いモノだと分かる。


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