一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
真っ青になっていた顔が今度は熱い。
きっと今、真っ赤に違いない。
祝福してくれたのは嬉しいが、居た堪れない雰囲気に耐えられなくなり勢いよく立ち上がった。
「き、今日は帰ります!冷蔵庫の中にケーキあるから食べてね?!じゃあ、また来るからっ、、!」
そう言って隣の彼も強引に引っ張ってリビングから逃げるように立ち去る。
「あ、逃げた〜!」
後ろの方でそんな言葉が聞こえたが、聞こえないフリをして玄関を目指す。
『紗江さん?いいんですか?せっかくご家族揃われたのに帰ってしまっても。』
「いいのっ、、!報告は済んだから。あ、でももし暁人くんが残りたければ残って大丈夫だよ。皆んなは暁人くんと話足りないみたいだから。」
彼の意見も聞かずに強引に手を引いてきてしまった事を今更ながらに後悔して、慌てて繋いだ手を離した。
しかし直ぐに手を繋ぎ直される。
『いいえ、一緒に帰ります。ご家族公認となった今、紗江さんと同じでいつでも会いに来れますから。また2人で来ましょう?』
「、、うん。」