一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『彼女に触らないでもらえますか?』
その背中のぬくもりと声に安堵する。
彼の大きな背中に身を預けるともう片方の手でギュッと抱き寄せてくれる。
一方的場さんは降参といわんばかり両手を上げて困ったように笑った。
「王子様の登場か。それなら今は諦めるしかないな。」
『〝今は〟ではなく〝永遠に〟諦めて下さい。彼女を手離す気はありませんので。』
強い口調でハッキリと言葉にしてくれる彼。
ピリついた空気の中、不謹慎かもしれないけどその言葉が嬉しくて顔がにやけてしまう。
必死に顔を戻そうとしていると的場さんと目が合う。
その表情はとても悲しげだ。
「的場さん、、?」
「付き合って間もない時は誰もがそう思うさ。この人そこが運命の相手だってな。もちろん別れなんて想像もしない。、、、俺だってそうだったしな?でも別れはいずれ来る。柏木さんだって今はそうかもしれないけど、長く付き合っていくうちに段々と分からなくなっていくよ。そういうのは大概失ってから気づくものだしな。」
「もしかして的場さん、、何かあったんですか?」
「いや、俺の事はいいよ。結局、男女の仲なんて分からないって事。川田さん達のように婚約してるならまだしも、付き合いたてで〝永遠〟なんて、、。」