一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そういうと背を向け海外事業部の方へと帰っていった。
ホッと胸を撫で下ろすと同時に、罪悪感が押し寄せる。
実際にはまだハッキリとしたプロポーズもしていない。
その上、彼女の気持ちを無視して事実では無いことを口走ってしまった。
そして今までここに居た相手はきっと以前、彼女が好きだったであろう男。
嘘をついた事、そして約束を破った事を彼女は怒っているだろうか。
子供じみた事をしたという自覚はある。
長過ぎる片想いを終えて、彼女と恋人同士になれても男と2人きりでしかも触れられそうになっている状況で見過ごす事なんてできなかった。
愛しい彼女を初めてこの腕に抱いてから暴走しないようにと適度に距離を取って自制していたが、それが彼女を不安にさせていたのだと分かってからは自分の気持ちに正直になった。
彼女に触れれば触れるほど、満たされると同時に溢れ出す独占欲。
あの愛らしい仕草も柔らかい笑顔もその髪の毛一本でさえ誰にも見せたくない。
触れられたくない。
このままでは重過ぎる愛で自分自身が大事な彼女を潰してしまうのではないかという恐怖。