一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「あ、、外回りお疲れ様、片瀬くん。」
バチっと目が合うと、やはり気まずくて目を逸らしてしまう。
すると真っ直ぐにこちらに向かってきた彼は少し強引に手首を掴んだ。
『お疲れ様です。紗江さんは終わりですか?』
「あ、、うん。今から帰ろうかなって。」
『では一緒に。』
「え?片瀬くんも終わり?」
『終わらせます。今日はそれどころじゃなさそうなので。』
そういうと一度俯いた後に真剣な瞳でこちらを見つめた彼。
『大事なお話があります。聞いて、、下さいますか?』
少し震えた声で懇願するような彼の表情を見るのは久しぶりだ。
隣にニヤついている真由ちゃんがいるのは分かっているけど、それも気にならないくらいに自然と体が動く。
彼の手を取り大きく頷く。
「勿論だよ。ここで待ってるから帰る準備してきて?、、ね?」
『っ、、、すみません。直ぐに戻ります。』
小走りで横を通り過ぎた彼の背中を見つめていると隣から優しい声が響く。
「じゃあ私はこのまま帰るね。」
「ごめんね?でもありがとっ、、!」
真由ちゃんに笑顔で別れて告げていると背後からバタバタと足音が聞こえてきた。
彼が戻ってきたみたいだ。