一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『帰りましょう、紗江さん。』
「え!?ちょっと、、待ってっ、、!?!?」
これで、、終わり!?!?
昨晩は緊張し過ぎて眠れないほどの一大イベントは一瞬にして終わりを迎えてしまった。
勿論、言い争いがしたかった訳じゃない。
それでも真意も分からずに、こんなにあっさりと終わりを迎えてしまうのは違うと思った。
ちゃんと本音を言い合わなければ、親子の間に蟠りが残る気がした。
必死にその場に残ろうとする私を彼は強い力で引っ張るように歩く。
「お願いっ、、待って暁人くんっ!!もう少しだけ話をした方がっ、、。」
『必要ありません。今後、2度と会う事もありませんから。』
冷たく言い放つと一度も振り返る事なく、ドアノブへと手をかけ一気に病室の外へと出た。
ドアが閉まる前に見えたベットの上の彼の父親は、とても優しくて儚くて、それでいて寂しそうな表情をしていた。