一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
院内で騒ぐ事も出来ず、黙り込んで彼に引きずられるままに病院を後にした。
外へと出た瞬間、身を捩って彼から離れた。
「暁人くんっ!!!!、、本当にこれで良かったの?言葉の真意が分からないままなのに。」
『真意ですか?そんなの言葉通りですよ。〝自由にしていい〟と言う事以外にどんな真意があるのでしょうか。元々がそういう約束です。正直、ここまですんなりと終わるとは思ってはいませんでしたが、これで縛るものは何もないですね。紗江さんとの約束も果たせましたし。』
「そう、、かもしれないけど私にはそれだけには思えなかった。」
『、、それはどういう意味でしょうか。』
俯いている彼の表情を伺う事は出来ないが、聞いた事のない背筋が凍るような冷たい声に体が震える。
それでも負けじと口を開く。
「俯いた表情は、なんだかとても優しくてそれでいて寂しそうだった。私には暁人くんが言うような冷酷非道な人には思えなかった。」
『紗江さんが思うような人間ではありません。そのように見えたのなら紗江さんの勘違いです。』
「勘違いなんかじゃないよっ!人を見る目はある方だと思うもの!!昔冷たくしていたのもきっと何か理由があるんじゃないかな。大人になった今なら分かり合える事もあるかもしれないんだよ!?たった1人の家族なのに、、そんな風に手放して切ってしまってもいいの、、?」
『何も知りもしないからそんな風に思えるんです。あの人を家族だなんて思った事なんて一度もありません。』