一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


『それでも最後に一つだけお願いがあるんです。』










そう言って真剣な表情でこちらを見つめる彼。




どうしてこうなってしまったの?

こんな別れだなんて嫌だ。




涙を流しながら首を必死に左右に振って抵抗するが、悲しそうな顔をするだけで覚悟を決めたように口を開いた。










大好きな彼から別れを告げられるのを見たくなくて、ギュッと固く目を瞑った。


























『それでも俺は貴方の事が好きです。こんな俺ですが、、側にいれなくなっても、、、まだ紗江さんの事を好きでいてもいいですか?』










聞こえてきたのは別れの言葉ではなく、愛の告白。

その言葉を耳にして勢いよく目を開けると、弱々しく俯いている彼に必死に言葉を絞り出す。










「暁人、、くん。こっ、、ちに、、来て、、、?」



涙を流しながら手を伸ばして彼を呼ぶ。









そんな私の姿に戸惑いながらもゆっくりとこちらへと近づいてきてくれる。

それでもあと30センチという距離で立ち止まったしまった彼。









『、、これ以上は近づけません。』



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