一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
それから1時間ほどでノルマである業務が終わり、打ち込んだデータを保存し終わると隣からも気の抜けた声が聞こえた。
「っ、、終わったぁ〜!」
「お疲れ様、真由ちゃん。」
「お疲れ〜。紗江は後どのくらい?」
「私も今終わった所。」
「じゃあさ、週末だし飲みに行こうよ!」
「ごめん、、今日も実家行かなきゃ。お母さんの体調が回復するまでは通わなきゃなんだよね。」
1週間乗り切った疲れた体にアルコールを入れたいのは山々だが、きっと大変な事になっている実家に行かない訳にも行かず泣く泣く断りを入れる。
「本当、紗江は面倒見がいいね〜。さすが5人姉弟の長女!私だったら絶対行かないよ。待ちに待った週末に実家だなんて。どうせ小言言われるのがオチだし、飲みに行ったりデートしたりしたいしね。」
「ほら、、私はデートに出かける相手とかいないから、その分身軽だから。」
帰りの荷物をまとめながら会話をしていると、急にバタバタと足音が聞こえてきた。
何事かと真由ちゃんと2人で振り返ると、庶務課の出入り口に少し息を切らした彼の姿が。
『、、良かったです。まだ残っていてくれて。』
目が合うとそう呟いて、ホッとしたように笑った。