一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「っ、、ちょっと待って、、っ!片瀬君っ!!!!取り敢えず、手を離して、、?」
私の悲痛な声に彼はピタリと足を止め、ゆっくりと振り返る。
『、、手を離したら紗江さん、逃げるでしょう?だから手は離したくありません。それに、、もう今はプライベートな時間です。そんな他人行儀な呼び方じゃ聞き入れられません。』
ユラユラと揺れる瞳からはその本気さが伝わってきて、思わず手を握り返して彼を見つめる。
「暁人君、絶対に逃げないって約束する。だから、、ね?」
そう言うとゆっくりと繋がれた手が解放された。
「、、ありがと。」
『手は離しましたけど、側は離れませんから。』
「うん。スーパーに寄ってもいい?今日の晩御飯の買い物しなきゃ。」
『勿論です。何処にでもお伴します。』
少し不服そうな表情を浮かべながらも、ピッタリと隣を歩く彼がなんだか可愛い。
私よりも全然足が長いのに、それでも歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれるその優しさがとても嬉しかった。
背後から車の気配が感じると、さり気なく外側へと移動する彼。
そんな紳士的な振る舞いや優しさを見せる彼は年下とは思えない程に逞しく成長した姿を見せる。
こんな風に〝女の子扱い〟された経験が殆どない私にとっては戸惑いの連続だが、それでも可愛かった彼を男として意識せずにはいられない。