一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「あれ?これ私が着てたやつ、、?でもこれって確かここを出る時に処分したような?」
「お姉さんがいつでも帰って来れるように、流行りに関係なく着れそうなのをお義母さんが取って置いたんです。季節毎に何着かありますよ。ちなみに下着に靴もあります。」
「そうだったんだ。本当にありがたいなぁ。こういうのを親の心子知らずっていうのかな。」
「お姉さんがここを出ていくって言った時、本当は皆んな嫌だったんですから。でもお姉さんの人生だし、ずっと窮屈な思いさせてきたから引き止めちゃ駄目だってお義母さんが。でも結局の所、処分する袋からこれだけの物を取っておいたお義母さんが1番寂しかったのかもしれませんね。」
此処を出ていく日、弟達は少し拗ねた様な機嫌の悪そうな表情をしていたが母だけは終始笑顔だった。
あの笑顔の裏にそんな事があったなんて、あの時は思いもしなかった。
「私は幸せものだなぁ。」
「私も柏木家の一員になれて母親になれて本当に幸せです。でもお姉さんの幸せはこれからですよ。」
「うん、、ありがとう。」
手渡された服に着替えて綾ちゃんと亜美ちゃんに見送られ、慎一の運転で病院へと向かった。