一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
昔はピッタリだったお盆に人数分のお椀が乗らなくて頭を傾げる。
お椀のサイズも変わってないのになんで?
何度も置き方を変えてみるがやっぱり乗らない。
疑問に思っていると最後に起きてきた慎一がキッチンの方へとやってきて無言で1つ、お盆からお椀を取って鍋の中へと戻した。
「え?慎一、それじゃあ1人分足りないでしょ?もしかして二日酔い?じゃあ他のやめて雑炊かなんか作ろうか?」
そう声を掛けるが聞こえなかったかのように1つお椀が減ってしまったお盆を持ってその場を立ち去ってしまう。
ムッとして声を掛けようとすると先に起きていた綾ちゃんがそれを制した。
「お姉さん、、その、、1人分多いです。」
遠慮気味にそう言われ、私と綾ちゃん以外が全員が席に着いたのを確認すると確かに1人分多かった。
空席が3つ。
うち2人は私と綾ちゃんの座る椅子。
じゃあ、、あの一つは、、、?
そこでハッとなった。
自分が一体誰の分を準備していたのか気づいてしまったのだ。
恥ずかしくなり、咄嗟に余っているオカズのお皿を後ろへ隠したが家族の視線は一斉に私に向いた。