一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
その現実をまざまざと見せつけられた。
もしかしたら一目見る事すら奇跡のような事なのかもしれない。
ここに入れて貰えた事に感謝して、気持ちを落ち着かせて静かに待った。
すると廊下の方から革靴の足音が2つ聞こえて隣の広い部屋へと入っていくのが分かった。
壁が薄いのか隣の部屋の話し声が聞こえてくる。
「副社長、お忙しいのは分かりますがもう面接者は来ております。対応して頂かないと困ります。」
数時間ぶりの日本語に何故か温かな気持ちになった。
いけない事だと分かっているのに、つい聞き耳を立ててしまう。
『、、芳川さん。私は秘書を雇う気はないと何度もそう伝えた筈です。勝手な事をされては困ります。』
久しぶりに耳にする声に一瞬で全身の血液がざわめき立つ。
「何度も申し上げました通りに、私は回復された社長の秘書へと戻ります。お2人共の秘書をする事は体力的にも難しいのです。それとも副社長は私を過労死させるおつもりですか?」
『それでは秘書は不要です。』
「どれだけの仕事量があると思ってらっしゃいますか?!それでは今度は副社長が病を患ってしまいますっ!!!!絶対に秘書は必要なのです。」
『、、、分かりました。では男性の秘書をお願いします。この条件だけは譲れません。』