一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
聞いた事のない彼の声色に困惑してしまう。
低く冷たい声。
私の知っている彼の声ではなかった。
「、、何故男性をご希望ですか?」
彼は芳川さんの問い掛けに深いため息をついた。
『女性と関わりたくないのです。』
「それはアプローチされるのが困ると?確かに副社長のように若くて優秀、イケメンな上に御曹司とくれば誰もが振り向かせたいと思いますからね。それに日本人男性はモテます。実際に何度もお誘いを受けてましたね。」
まるで隣の部屋にいる私に聞かせるような声で芳川さんは話を続けた。
「社長も副社長の相手は自分で決めさせるとおっしゃっているんですから、若い内に相手を探した方が宜しいのではありませんか?こちらに来て暫く経つのに浮いた話1つありませんよね?秘書になる女性は若く美しい上に教養もあります。生涯のパートナーとしてはうってつけだと思います。」
『必要ありません。』
「それでは私が知らなかっただけで、既にお近くにそういう女性が?」
『業務には関係のない話です。』
ピシャリと言い放った言葉に肩が上がった。
ここまで女性の秘書を拒否している彼の前に出て行く事は出来るのだろうか。