一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


「Excuse me. May I come in?」
(失礼致します。入っても宜しいでしょうか?)








深く頭を下げて声を掛けたが返事は無い。


おずおずと顔を上げると何かの資料を見ていてこちらを見てくれない。



そんな彼の姿に挫けそうになるが、負けじと机を挟んで彼の前まで足を進めた。






私の気配に気づいた彼はこちらを見る事なく、口を開いた。















『What is your reason for applying?』
(志望動機はなんですか?)







きっとこのまま一度も目を合わせる事なく面接を終えるつもりなのだろう。

こちらから断りを入れるように仕向ける為だ。










このままでは彼の視界に入ることすらままならずに終わってしまう。



そう思ったら用意していたモノとは違う言葉が勝手に口から漏れる。
















「I came to meet my favorite person」
(好きな人に会いに来ました。)

















そういうと彼はピクリと反応を見せ、ゆっくりとこちらに視線を向けた。


数ヶ月ぶりに見た彼は少し痩せていて、その姿に涙が溢れそうになる。







< 435 / 456 >

この作品をシェア

pagetop