一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『、、紗江さんのそういう所が好きなんです。こんな俺にも昔から優しくしてくれて、、笑顔が綺麗で可愛くて、そんな紗江さんがずっと、、。』
肩に顔を寄せて小さな声で呟く彼の声が泣いているように聞こえた。
「っ、、暁、、人君、、?大丈夫、、?」
心配になって振り返ろうとすると、リビングにいた弟達がニヤニヤとこちらを見ている事に気づいて慌てて彼から離れた。
「暁兄、やっとかぁ〜!!」
「俺らの事は気にしなくていいのに。」
「いや、気にするでしょ!流石の俺でも姉弟の前ではイチャイチャできないわ。」
「てか暁兄、今日日本に戻ってきたんでしょ?行動力凄くね?もう姉ちゃんの事自分のモノにしたんだ?」
はたから見たらそういう風に見えるのか、弟達は好き勝手に盛り上がっている。
「っ、、そんなんじゃないから!!!!そんなことよりご飯は自分達で運んで!!!私はお母さんの様子見てくるからっ、、!!先に食べてていいからね!?」
その場から逃げるように、彼の顔を見る事なく母の部屋へと向かった。
「あー、、俺ら余計な事言った感じ?」
「、、そうみたいだな。」
「暁人、、大丈夫か?」
『、、そんな簡単に紗江さんを自分のモノにできるなんて最初から思ってないですよ。それでも諦めません。彼女だけをずっと想ってきたんですから。』
私が居なくなった後に、彼が切ない表情でそんな会話をしていたなんて私には知るよしもない。