一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そのお陰で少しだけ心拍が緩やかになった。
「ふふ、、緊張してる?」
「しない訳ないだろう?まさか自分の娘がこんな盛大な式を挙げるなんて想像もしていなかったんだから。」
「本当にね。正直、私は今でも現実味がないの。彼と出逢った時にはこんな未来見えてなかったから。」
「でも母さんは彼がうちに遊びに来た日にはもう〝こうなる未来〟を予測していたみたいだよ。それに2人は密かに約束してたみたいだしね。」
「、、え?本当?」
「本当に凄い女性だよね。あの世界の片瀬家の人間相手にだって堂々と振る舞えるんだから。」
「それは本当にね。」
「そんな母さんに紗江はとてもよく似てるからこれまで通り過ごして、、幸せになりなさい。紗江ならきっと大丈夫。」
その優しい言葉に涙が溢れそうになるのを必死に堪えて小さく頷いた。
「うん、、。」
ドアの向こうからパイプオルガンの音が聞こえてきてアテンダーさんが小さく頷く。
それを合図に目の前の大きな扉がゆっくりと開いた。
長い長いカーペットを少し俯きながら父と2人、ゆっくりと前へと進んでいく。
すると途中で父がピタリと足を止めた。