一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


私の放った言葉にピクリと反応した彼はドアノブから手を離した。

そして振り返ったと同時に力強く彼の方へと引き寄せられた。






一瞬だけ見えたのは目を細め切ない表情をしていた彼の横顔で、気づけばそんな彼にキツく抱きしめられる形になっていた。


きっと母親に甘えているような感覚なのだろうと、戸惑いながらもそんな彼の背中を優しく撫でながら声をかける。











「、、さっきは暁人君の気持ちも考えずに酷い事言ってごめんね?こんな私で良ければ、いつでも話聞くよ。」




私の行動に一瞬だけ彼の体が震えたようだったが、彼の腕には更に力が込められた。

そして聞こえるか聞こえないかくらいの微かな声で呟いた。














『、、貴方の優しさに漬け込むような、、卑怯な男ですみません。でも俺は本気ですから。』






結局、なんと言ったのかはハッキリとは聞き取れなかったが、彼の腕の中からは解放された。










『ありがとうございます、紗江さん。お陰で元気でました。今日も一日、仕事頑張れそうです。』



先程とは別人のようにハッキリとした口調で言葉を放った彼と目が合うと、とてもスッキリした表情をしていて、これで良かったのかなと思った。


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