一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
お昼近くになり、そろそろ一旦データを保存しようとしていると背後から声を掛けられた。
振り返ると森田くんで外回りから帰ってきたばかりのようで、うっすらと汗をかいている。
「あの、柏木さん!この前はありがとうございました。柏木さんの言う通り、どら焼きは大層喜ばれまして契約を更新して下さいました!!」
「良かったね。森田くんが頑張った成果だよ!凄いね〜。あそこの社長は堅物で有名だから。」
契約更新がよっぽど嬉しかったのか、興奮覚め上がらない森田くんから突然両手を握られた。
「いいえっ!柏木さんのお陰です!!本当にありがとうございましたっ、、!」
「う、うん。本当に良かったね。」
「お礼をさせて下さい!!最近出来たカフェにランチに行きませんか?今から!!是非ご馳走させて下さい。」
「お礼だなんていいよ。契約更新できたのも森田くんの頑張りなんだから。」
「いえ!柏木さんの助言のお陰なんです!!」
固く握られた手とあまりの勢いにたじろいでしまうと、よく知った声が耳に響いた。
『森田さん、紗江さんが困っています。手を離して下さい。』