一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
振り返ると同じく外回りから帰ってきたであろう彼の姿があって、冷たく睨みつけるような視線を森田くんに向けている。
そんな視線を向けられた森田くんは、ようやく我に返ったのか手を離してくれた。
「す、すみませんっ!嬉しくてついっ、、!」
「大丈夫だよ。そんなことより本当にお礼とかは大丈夫だから。」
「え!?そんな事言わずに行きましょう!?さっき通ってきたんですけど比較的に空いてて!今なら待ち時間なく座れますし!!」
余程そのカフェに行きたかったのか、なかなか諦めてくれない森田くんに困っていると隣の部署から真木さんが声を上げた。
「森田、契約更新できたならまずは報告。その後はすぐに報告書を書け。飯はそれからだ。そんなの営業の基本だろ。」
営業課長である真木さんの言葉には、流石に無視できない森田くんは項垂れてしまう。
「、、はい、、、分かりました。柏木さんすみません、、お礼はまた後日にさせて下さい。」
「それは本当に大丈夫だから!営業は本当に大変だね。報告書、頑張ってね!」
「はい、、。」
トボトボと隣の部署へと戻っていく後ろ姿がなんだか可哀想で思わず自販機でコーヒーを買ってそれをスーツのポケットに入れ声を掛けた。