一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そんな彼女はとても周りをよく見ていて、些細な事にでも直ぐに気づく。
仕事の面でもプライベートな面でも。
だから私の秘めた想いにもいち早く気づいた。
昔から可愛いと言われ、告白される事が多く自ら告白して付き合った事のなかった私。
そんな私に、社会人になって初めて自ら好きな人が出来た。
それが隣の部署、営業課長の真木 陽介だ。
ぱっと見少し怖い印象があるが、とても優しくて部下思いな彼に恋心を抱いた。
でも自ら好きになった事がなかった私はどうアプローチしていいかも分からず、ただただ彼の遠くから見つめる事しかできなかった。
そんな私の背中を押してくれたのは、紛れもなく彼女で、何度となく彼に近づくチャンスを作ってくれて、それでいて私の知らない所で彼に私を猛プッシュしてくれたのだ。
なんでも5人姉弟の長女として生まれた彼女は、困った人がいると放ってはおけない性格らしく、ついお節介を焼いてしまうという。
だから彼女の〝お節介〟のお陰で程なくして私達は、誰もが羨む恋人同士になった。
他人の恋愛事には敏感な彼女なのに、何故か自分の事になると鈍感でその上卑屈になってしまう。