心がささやいている
それに、噂や陰口も気にならないと言えば嘘になるが、実際口に出して言われていることの方がまだマシなことが多いのが現状で。表立って文句を言われていることよりも、実は内に秘められた『悪意』の方が断然キツイ場合が殆どだったりするのだ。
それは先程の女子生徒二人にも当てはまることだった。
『スカしてる』『余裕ぶってる』『お高くとまってる』と言いたい放題悪口を並べ『好きじゃない』と断言していた彼女よりも、実は『そこまで嫌な感じはしない』と言っていた彼女の方が、心の底では自分のことを良く思っていなかったりする。
それが自分には分かってしまうから…。
どうしても、人と一線を引いてしまうことを止められない。
その裏表を知るのが怖くて。
別に人に嫌われることが怖い訳じゃない。
ただ、好意を持ってくれているような笑顔の裏で『悪意』を囁かれるのが怖いのだ。
臆病になっていることぐらい自分でも分かっている。つい一線を引いてしまう、その自分の態度が余計に敵を作ってしまっているのかも知れないということも。
でも、こればかりは幼い頃からの癖のようなもので。既に自分でどうにか出来るようなレベルではなくなってしまっていた。
咲夜は小さく息を吐くと。既に誰もいなくなった教室へとゆっくり足を踏み入れると一人帰り支度を始めるのだった。
学校から家までの道のりは、徒歩で三十分程。毎日通っている川べりの道をゆっくりと歩いてゆく。
陽はだいぶ西へと傾き、夕暮れにはまだ早いが斜めからの眩しい日差しが正面から照り付けてくる。
それは先程の女子生徒二人にも当てはまることだった。
『スカしてる』『余裕ぶってる』『お高くとまってる』と言いたい放題悪口を並べ『好きじゃない』と断言していた彼女よりも、実は『そこまで嫌な感じはしない』と言っていた彼女の方が、心の底では自分のことを良く思っていなかったりする。
それが自分には分かってしまうから…。
どうしても、人と一線を引いてしまうことを止められない。
その裏表を知るのが怖くて。
別に人に嫌われることが怖い訳じゃない。
ただ、好意を持ってくれているような笑顔の裏で『悪意』を囁かれるのが怖いのだ。
臆病になっていることぐらい自分でも分かっている。つい一線を引いてしまう、その自分の態度が余計に敵を作ってしまっているのかも知れないということも。
でも、こればかりは幼い頃からの癖のようなもので。既に自分でどうにか出来るようなレベルではなくなってしまっていた。
咲夜は小さく息を吐くと。既に誰もいなくなった教室へとゆっくり足を踏み入れると一人帰り支度を始めるのだった。
学校から家までの道のりは、徒歩で三十分程。毎日通っている川べりの道をゆっくりと歩いてゆく。
陽はだいぶ西へと傾き、夕暮れにはまだ早いが斜めからの眩しい日差しが正面から照り付けてくる。