愛され秘書の結婚事情*AFTER
「ていうか、さっき彼と何の話をしたの」
「言えません」
急に、尋問されている今の状況に腹が立ち、七緒は挑戦的な口調で言った。
「ですが、悠臣さんが懸念されているようなやましいことは、一切ありません」
相手に次の発言権を与えず、七緒は言った。
「私のことが信じられないと仰るなら、結構です。今日は私、自分のアパートに帰ります」
喧嘩腰で言い切って、七緒は呆然とする悠臣を残したまま、鞄を掴んでマンションを出た。
そして本当に自宅アパートに戻り、さっさと布団を被って眠った。
今朝。
冷静になった七緒は、さすがに昨日の対応はよろしくなかったと、悠臣に詫びるべきかとチラと考えたものの。
昨晩の一方的な態度には腹が立ち、結局電話もメールもしないままに、アパートから会社に直行した。
だが会社に着き、再び自分がゴシップネタにされていることを知り、改めて悠臣に対し申し訳ない気持ちが湧いてきた。
元はと言えば、晶代の衝動的なスタンドプレーが全ての発端だが、彼女がそうした理由を知る身としては、有難いと思いこそすれ、迷惑だなんてとても言えないし、思わない。
(だけどこのままじゃ……ますます悠臣さんに負担を掛けてしまうだろうし……)
何より今のこの冷戦状態は、心から婚約者を愛している彼女としては、いたたまれないほどに辛い。
これならいっそのこと婚約を公表し、そちらで注目を浴びる方がよほど精神衛生上良い気がする。
その時、受付から「桐矢常務が出社されました」という内線が入り、七緒は慌てて立ち上がると、いつもの定位置であるエレベーター口に向かった。
「言えません」
急に、尋問されている今の状況に腹が立ち、七緒は挑戦的な口調で言った。
「ですが、悠臣さんが懸念されているようなやましいことは、一切ありません」
相手に次の発言権を与えず、七緒は言った。
「私のことが信じられないと仰るなら、結構です。今日は私、自分のアパートに帰ります」
喧嘩腰で言い切って、七緒は呆然とする悠臣を残したまま、鞄を掴んでマンションを出た。
そして本当に自宅アパートに戻り、さっさと布団を被って眠った。
今朝。
冷静になった七緒は、さすがに昨日の対応はよろしくなかったと、悠臣に詫びるべきかとチラと考えたものの。
昨晩の一方的な態度には腹が立ち、結局電話もメールもしないままに、アパートから会社に直行した。
だが会社に着き、再び自分がゴシップネタにされていることを知り、改めて悠臣に対し申し訳ない気持ちが湧いてきた。
元はと言えば、晶代の衝動的なスタンドプレーが全ての発端だが、彼女がそうした理由を知る身としては、有難いと思いこそすれ、迷惑だなんてとても言えないし、思わない。
(だけどこのままじゃ……ますます悠臣さんに負担を掛けてしまうだろうし……)
何より今のこの冷戦状態は、心から婚約者を愛している彼女としては、いたたまれないほどに辛い。
これならいっそのこと婚約を公表し、そちらで注目を浴びる方がよほど精神衛生上良い気がする。
その時、受付から「桐矢常務が出社されました」という内線が入り、七緒は慌てて立ち上がると、いつもの定位置であるエレベーター口に向かった。