愛され秘書の結婚事情*AFTER
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 やや性急な動きで目的を達したあと、悠臣は腕の中で柔らかな笑みを浮かべる七緒を、真剣な表情でじっと見下ろした。

「なんですか?」

「いや……まだちょっと、信じられなくて」

「えっと……どの点が信じられないんですか?」

「君が僕を結婚相手に選んだこと。君がまだ、僕の腕の中にいること。君が、僕を愛してくれること。その全部だよ」

 悠臣の真面目な返事に、七緒はクスリと笑った。

「今日ですね、十倉先生が仰ったんです。私と常務は全然似ていないようで、すごく似ているって」

「へえ、そう」

「私達に足りないのは自信だ、とも仰っていました。私が常務に対し、自信が持てないのはわかりますけど、常務がなぜ自信がないのかは、謎です。だって全てを兼ね備えてらっしゃるのに……」

 悠臣は小さく笑い、「それは君の思い違いだよ」と言った。

「以前も言ったでしょう。僕は自分に自信がない。だからすぐに不安になる。前の結婚とアメリカ生活の失敗で、僕のバベルの塔は崩壊しちゃったんだよ。自分のダメなところ、弱いところを知っているから、君に対してもなかなか自信満々になれない。僕よりイイ男なんて、この世界に億万と存在するからね」

「そんなわけありません」

 悠臣の自虐的な本音を、七緒は真顔で否定した。

「私にとって、悠臣さん以上の男性なんて、存在しません。これからも、この先も、絶対に」

「……絶対に?」

「はい。絶対に、です」

 そう断言し、七緒は花がほころぶように笑った。

「私にとって、一番大切なのは悠臣さんです。あなた以上に尊重すべき、優先すべき存在はありません。今日、ハッキリとそう、自覚しました」

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