いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


真衣香を片手で抱き寄せながら押し出すようにして、坪井はエレベーターからおりると、少し遅れて出てきた咲山を振り返り言った。

「行かない。こいつ行っていいなんて顔してないし」

「は?」と、咲山の短く小さな声がすぐに返ってきた。

「ね、ねえ立花さん、さっき話したこと覚えてる? 理解してるよね?」

振り向こうとした真衣香だが、ギュッと力を込め、抱き締める坪井の腕が邪魔をする。

「二人が何話したのか知らないけど、何より、俺が、嫌だわ」

「ま、待ってよ。 嫌って何? 何で? 今までは彼女に気なんて使ってなかったよね? いいよって言われたら私と会ってくれてたじゃん」

縋るような声に変わっていく、咲山。

「うん、だから、俺が嫌なだけ。 俺が、こいつに愛想尽かされそうなことしたくないだけ」

そう、キッパリと言って、真衣香の手を掴み「じゃ、ごめん、今日はお疲れ」と、咲山に言い残し、振り返ることなく歩き出した。

グイグイと手を引かれ、ビルのエントランスを出る。 ツン、と冷たい風が鼻を刺激した。

早いもので、もう12月に入ったのだから無理もない。
冬を感じていると。

「あーー、のさ。立花」

坪井の声がした。

「どうしたの?」

聞き返し、隣を見ると大きな呼吸を数回繰り返して「あの人と何話してたの?」と、ボソリと呟いた。

「何って?」

「俺が。あの人と今も切れてないとか、そーゆう話だった?」

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