いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「座っててよ」
そう言って真衣香の肩をトン、と押さえ二人掛けサイズのソファに座らせた後、帰りに寄ったコンビニの袋の中身をガサガサと取り出してゆく。
「さっき買ってきたの、飲む?」
「う、うん!」
頷き、答えた真衣香のすぐ隣に座った坪井が、ソファー前にあるローテーブルに瓶や缶などのアルコール類や、お菓子を並べる。
「ありがとう、でも太っちゃうかなぁ。今日甘いの飲んでばっかり」
「そ? もうちょい太っちゃえば? お前細いんだもん」
ニヤッと笑って、腰に腕が巻きついてくる。
(ち、近い……!)
二人きりの空間で、こうも近いと心臓の音がバレてしまいそうだ。
……不安な、心までも。
身体を密着させたまま、缶の蓋を開け、ビールに口をつける坪井。
それに続いて、真衣香も、桃のイラストが描かれたサワーの缶を開けて口に含んだ。
もう一口、また、一口。 飲むたびに緊張だったり、帰りがけからずっと続く胸のざわめきが消えてゆくよう。
やがて。
ふう、と息を吐き、飲み口から唇を離すと……それを待っていたかのように。
後頭部をふんわりと掴まれ、ちゅっ、と短い音を立てて軽いキスをされた。
いつの間にか、至近距離に坪井の顔がある。
その整った顔を、酔いの効果もあってか、目を逸らすことなく見つめ返す。
次に触れ合った唇は、すぐに湿り気を帯びて、深く、長く、何度も角度を変え繰り返された。
次第に、呼吸が荒くなっていくのを感じるけれど、どうしたことか恥ずかしさよりも勝るものがあった。
「……な、止めてくれないの?」
多分、それは、また湧き上がってきた不安な心で。