いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


そうだ、いつも交差していた。

初めて真衣香に話しかけたのは、2年前の新人研修の初日だった。
隣の席に座った真衣香を一目見て可愛いと思った。
そこに、特に深みはなく。

(ただドンピシャで顔が好みだっただけってゆーか、そんな程度)

帰り際、声をかけた。
『一緒に帰らない?』と。
しかし真衣香は『ごめんなさい』とだけ短く答え、小さく頭を下げてきた。
そして、ろくに坪井の方を見もせずに、その日研修を担当していた人事部の社員のもとへ駆け寄っていった。

何だ、あいつ。可愛げないな。と、思った。その印象を長く引きずっていたんだ。

しかし、いざ同じ本社に配属されて毎日その姿を見かけるようになると。自然と真衣香の姿を目で追う自分に気がついた。

毎日見かけるわりに、声はあまり聞かない印象だった。
他の社員との関わりを避けているのかと言う程に物静かだ。
黙々と毎朝掃除をしていたり、雑用をこなして走り回り、周囲には『楽そうな仕事でいいよね』と陰でこそこそ言われて。

それでも顔色ひとつ変えない。
やっぱ可愛げないじゃん。と思った反面、仕事してない時はどんな女なんだって興味もあった。

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