いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
けれど、特に接点もきっかけもなく毎日は過ぎていく。
(あの夜、ほんと疲れてて乗り気じゃなかったし。 人数合わせだけ付き合って抜けようってテンションだった)
遅れて店に入って、ついさっき見たなって姿を視線の先に捉えた。
顔をあげ、こちらを見た真衣香と目が合う。
『た、立花!? え、なんでお前がいるの?』
思わず大きな声を出した坪井を見て、真衣香も困惑したような表情を見せた。
『私もびっくりした、坪井くん……お疲れ様』
困ったような表情のあと、遠慮がちに微笑んだ。
会社で見る、引きつったように一定の表情を見せる彼女ではなくて。
柔らかく、可愛らしい。初めて見た表情。
坪井はドクン、と大きく鳴った自分の心臓の音を聞いた気がした。
”あ、ヤバイ、可愛いんだけど”
直感のようなそれは思い過ごしではなかったようで、ちびちびと苦そうにビールを飲み、顔を赤らめる表情から目を離せなかった。
そのジョッキを奪って飲んでみたら、頬を赤らめるどころか真っ赤になって驚愕の眼差しを向けてきて。
(もしかして、あんまり男慣れしてない感じ?)
可愛いんだから、それなりに男はいるだろう。なんて予想してたものだから驚くほどに何かが高揚していく自分がいた。
二人きりになってみたいと、さり気なくバーに誘うと、ついてきてくれた。
あれ?実はやっぱり慣れてるのか?なんて、邪推しながら店に着く。
そこで、甘いカクテルを勧めて酔わせて。仕事してる顔しか知らない真面目そうな人間を、女の顔に変えていく楽しさに自身も酔って。