いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
もうこの頃には、きっと抱える恐れが本音を押さえつけることができなくなっていたんだと思う。
そんな、中途半端な坪井の態度のせいも多少なりとも影響しただろう。
そして何より芯の通った真衣香の、坪井に向けられた好意。
(結果、逃げないどころか信じるとか言ったじゃんか、あいつ、俺のこと信じるって)
咲山の言葉を真正面から受けても、坪井の隣を並んで歩いた。
『信じる』と、迷いながらも言葉にしてくれた真衣香のことを、どうしようもなく愛おしく思った。そして。
どうしようもなく、怖いと感じた。
だから。
(焦って家に連れ込んだんだ)
そして、酷く傷つけて。何も悪くない真衣香の心を踏みにじってまで守った。守ってしまった。
また自分だけを、守ってしまった。
怖かったものは何だろう。
優位に立てない予感がする恋愛か?それともコントロールできない激情か。
どれも違う。
"好きに"なってしまったら大切にできない。
"好きに"なったら逃げ出してしまうんだろう。
だから、思いつく限り並べた真衣香を傷つける言葉。
(ああ、そっか、俺。 そうなのか)
『好きだ』と声にすることが怖かったんじゃない、きっと。
結果、コントロール下に置けない感情を、その存在を。"作ってしまう"かもしれないことに怯えてただけで。