いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
ソファー側に不機嫌そうに脚を組んで座る咲山を前に、坪井はイスを引き、向かい合って席に着いた。
……が、全く目が合わない。
二人掛けのテーブルで会話なく座っていると、店員が水を持ってやって来た。
「俺ホットにするけど夏美は? なんか食べる?」
「いらない。 カフェオレ」
何か勘付いているのだろう、苛立ちを隠さない声で坪井に応えた。
オーダーを復唱し店員が去ったのを目で追って確認した後、咲山は早口で坪井に言う。
「別に、わかってるし。 こんな時間にしかも涼太から呼び出されたんだもん。 いい話じゃないんでしょ」
腕を組み、下から睨みつけるように坪井を見る。
「早く言ってよ」
「……うん、夏美とこうやって二人で会うの最後にしたい」
放った言葉に一瞬、咲山は目を見開いたが。すぐに伏し目がちになって横を向いた。
「……はぁ、そんなことだろうなって思ったけど。 だったら何でわざわざ涼太の家の近くに呼び出すわけ?」
「……荷物さ、色んな女のあるんだけど。 一番多いのも誰のものか判別つくのも夏美のだけだったから」
坪井の言葉に頬杖をついていた咲山の指が、ピクリと反応する。
ちょうどその時。店員が、注文していたホットコーヒーとカフェオレのカップを持ってテーブルの前にやってきた。
お待たせしました、と。 目の前に綺麗に並べられていくコーヒーカップ。
それを無言のまま眺め、今度は立ち去るのを待たず咲山が口を開いた。
早く会話を進めてしまいたいんだろう。