いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


咲山は、坪井の手を掴んで自身の胸元に寄せた。柔らかな感触を何度も繰り返し押し付ける。その手を掴んで引き離そうとするが「立花さんのことが好きだとか言うんでしょ」と、咲山から出た言葉に一瞬動きが止まってしまった。

「夏美……」
「それでどうして、会わないってなるの? 別に今までと変わらないでしょ? 涼太、私を好きだったことなんてないんだから」

咲山はそう言いながら掴んでいた坪井の手を離し、次は慣れた手つきでスエットのゴム部分に手を掛けた。
上下に手を滑らせて。触れた部分が、硬さを持っていることに満足げに息を吐く。

「いつもみたいにしてよ」
「夏美」
「ねえ、ほら。 こうやって触ってたらすぐ反応するじゃん。 男なんてそんなものでしょ、セックスなんてそんなものでしょ? 涼太も言ったじゃん」

その声が、弱々しくなっていく。
涙が混じって、震えている。

「……そうだね、確かに言った。 けど、俺はこれ以上あいつの顔見れなくなるようなことできない」
「バレなきゃいいでしょ! 他の彼女がいた時もそう言って私たち……」
「夏美、聞いて」

咲山の声を遮るように、坪井はやや声を張って名前を呼んだ。
驚いたように声を止めた咲山を見上げながら、ゆっくりと声にする。

「夏美。俺、今こうしてても立花のことしか考えられないんだよ。 お前の胸触って身体は興奮しててもさ、お前に対して何も感じてない」


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