いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「受け取って、振り分けました……」
「だよな、あんたのハンコ押してあるんだよ配達票!宅配業者から取り寄せた!」
ヒラヒラとFAXを見せられる。確かに真衣香の印鑑が受け取りサイン部分にしっかりと押されている。
定時を少し過ぎた、この時間帯。事務の女性たちの姿は多く見られるが、坪井をはじめ高柳など男性の姿は疎らだった。
真衣香に掴みかかる勢いの川口を、遠目にひそひそと眺める姿を視界の端に映した。
「は、はい……。でしたら、その……受け取っていると思います」
「思いますって、あんたの意見は聞いてないんだって!わかるか?現に荷物がないんだよ!ないからわざわざ呼んだんだろ!?どこやった!」
「え、わ、私は宛名通りにしか」
真衣香が答えるたびに、川口の怒りが増していくように見える。
「あのさぁ……!何回同じこと言わせんだよ。他の荷物は置いてあって、これだけないんだって!明日朝一必ず必要なんだよ、お前どこやったんだマジで」
真衣香の声など届いてない様子で、声を張り上げ続ける。それだけでまともに頭の中を整理できなくなっていた。
震える自分の手に、同じく震えるもう片方の手を握り合わせて声を振り絞る。
「ほ、他の……部署に間違えて持って行ってないか、さが、探してきます」
「初めからそうしろよ!お前暇なんだろ毎日!少ない仕事くらいちゃんとしろって」
「す、すみません……」
勢いよく頭を下げてから二階へ上がり、総務も人事部も。企画も開発も、品質管理もコールセンターも広報も。滅多に入らない海外事業部も、走り回ったけれど川口宛の荷物を見つけることができない。