いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


「これ、配達完了時間16時30分ってなってるけど。立花、いつもは昼以降の配達分でも、受け取るのもう少し早くない?」
「……え?」
「入力のタイムラグにしちゃ、数時間だもんなぁ」

坪井に差し出されたFAXを見ると、確かに配達完了の時刻は彼が言ったものになっている。

「えっと、う、うん……。そうだね、お昼からも荷物があれば、いつも2時頃までには。ただ今日は11時頃に持ってきてくれた分だけ、だったと思うけど」

真衣香が答えると、顎に手をやり何度か軽く頷いた。

「うーん。うんうん了解、わかった。ちなみに立花、今、印鑑持ってるの?」

突然話が飛んだので驚きながらも、いつも印鑑を入れているベストのポケットの中を探った。

「持ってるよ……って、あれ?な、ない、上に置いてきたのかな、見に行って……」

階段の方を振り返ろうとした真衣香の動きを、手首を掴んで、やんわり阻止する。

「あ、いいよいいよ、必要になればで」
「え?わ、わかった」

『必要になればで』の意味が真衣香にはわからず、曖昧に返事をしてしまう。

その様子を眺める川口は、床をダン!と踏みつけながら再び声を荒げた。

「おい!お前自分の仕事じゃねーからって随分余裕だよなぁ?部長に目かけてもらってるからって調子乗りやがって」
「いやいや、乗ってませんよ。余裕があるわけでもなくて、とりあえず疑わしい順に追ってくしかないでしょ」
「だからなぁ!疑ってんだろが!お前が後ろに隠してる女!」

鋭い視線に、自然と指先が震える。
誤魔化すように、制服のスカートの裾を思い切り掴んだ。

すると。

「ちょっと、なになに、川口さん何怒鳴ってるの?」
「も〜、冬の倉庫とか寒くて最悪なのに。怒鳴り声まで聞こえて更に最悪なんですけど」

フロアの奥から小野原と森野が顔を出した。
見知った人物たちの、続々の登場に。真衣香は少しだけ力が抜けていくのがわかった。

< 277 / 493 >

この作品をシェア

pagetop