いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
一方、坪井は特に小野原たちの登場には反応を見せず、川口に視線を向けたままだ。
「ねえ、川口さん。怒鳴ってるだけじゃ解決しないですって。さっき聞こえてきてましたけど、立花受け取ってないって言ってるんですよね?川口さん宛の荷物を」
坪井の問いに、舌打ちをしながらダルそうに答える。
「ああ。でも覚えてないだけだろ、他は揃ってんのによ」
「いや、それはないですよ。繁忙期の荷物が多いのも、伝票に個人名が記載された荷物の中身が、大事なものだっていうのも。立花は知ってますよ。適当に扱いませんから」
続けて「とりあえず大前提それなんで。疑わしいとこから潰しましょう」と。
やけに自身たっぷり言い切った坪井。
スマホを取り出し真衣香の方を向いて、目線を合わせる為なのか。少し屈んだ。
「立花、あっちにぶら下がってるのって、うちに集配来てくれてるドライバーの番号?」
坪井が指したのは、ハイカウンターの内側に吊るしてあるラミネートされたA4の用紙だ。
「う、うん……。このあたり担当してる人の携帯で、日曜と月曜以外はいつも大体同じ人につながるよ」
「おっけー、ありがと」
真衣香に短く礼を言いながら坪井はスマホをタップし、電話をかけ始めた。
小野原がその様子を心配そうに眺めて「ごめんね、大丈夫だった?ちょっと去年の伝票確認したくて……探しに倉庫行ってたの」と。真衣香の元に近付いて、川口から遠ざけるように肩に触れる。
ふるふると首を横に振りながら応えて。
ハイカウンターに肘をつき、にこやかに通話を始めた坪井を、訳がわからないまま見つめた。