いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「坪井くんが隠してたこと、聞きたいの。知られたくなかったこと、知りたいの」
「……知りたい、って」
坪井は言葉に詰まって、そのまま黙り込み下を向いてしまった。
覗き込むように見ると、揺れる瞳が微かに光る。
「うん、知りたい。一緒だよ、さっき言ってくれたよね? 私だって坪井くんのことで知りたくないことなんて、ひとつもない……の」
部屋に響き渡っていた真衣香の声が、くぐもったように小さくなった。
「……何で……っ」
その声と入れ替わるように、切羽詰まった苦しげな声が響いて。
大きな腕が真衣香を包み込んだ。
そして、ぎゅうっと苦しいほどに力を込めて抱きすくめられる。
「なぁ、知りたいの、何で……?」
掠れた声が、真衣香の肩に押し付けられた坪井の唇から聞こえてきた。
その声は、頼りなくわななき、弱々しくて。深く関わり合う前の”同期で人気者の坪井くん”なんかじゃない。
大好きで、そして、時々どうしようもなく守ってあげたくなる愛しい人のものだ。
どの角度のあなたも。どんな表情のあなたも。
どんな声の色でも、強くても弱くても。
「大好きだから」
「……っ」
短くも大切な大切な、真衣香の本当の気持ち。
ちゃんと聞き取ってくれたのだろうか。
息を呑んだ坪井がさらに抱きしめる腕に力を込めた。
「坪井くんのこと、好きなの。嫌いなんて嘘、大好きなのずっと、ず……っ」
言葉が途切れた。包み込む腕に込められる力が、際限なく強められていくから。
「く、苦しい、よ……坪井くん……」