いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「てか、俺なら無理だな〜。 何で自分のこと悪く言ってくる奴らの面倒見てやらなきゃダメなんだよって。 無理、続かない」
「あはは、それね、私だってたまに思いながらやってるよ」
「あ、マジで? なんだよ、言えよな〜、せっかく2人きりの同期なのにさ」
2人きりの同期。
入社当時には他に数名の同期がいたが、数ヶ月後に一人、また一人と減ってしまい。
結果2年が経った今残っているのは坪井と真衣香だけになった。
「坪井くん、私のことなんて覚えてないかと思ってた」
謙遜や卑屈的な意味合いでなく、本当に思っていた。
営業の坪井が直接総務に来ることはなかったし、人事に提出物があっても営業部の事務がまとめて提出に来ていたから。
接点が、まずなかった。
「え、それ言うならお前じゃん。俺のことなんて見えてないんだろーなって思ってたよ」
坪井の言葉に驚き、そして信じられない真衣香は思わず眉根に力を込めた。
「え! なになに、なんで俺睨まれてるの? マジだよ、俺に限らず!」
「え?」
「この前も言ったけどお前のこと可愛いって言ってる奴らはいても近寄りがたいし、喋りかけに行っても迷惑そうにされるしって」
「そ、それは」
何人かで同時に話しかけられると、途端にどんな風に話せば場をしらけさせないだろうかと。
考えてしまってどうにも会話下手になる。
真衣香にとってはお馴染みの展開。
しかしそれを伝えるよりも前に、坪井が嬉しそうに言った。
「まぁそう見えてたおかげで、お前が変なのに引っ掛かんないでいてくれてラッキーだったんだけどね、俺が」
「だ、だから……もう! 坪井くんは、ほんと、もう……口がうまいよ」
「ん? 口が上手いって〜? はは、褒め言葉じゃん、俺営業だし」
意地悪な顔で返される。
「もう、からからかって……!」