いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
睨みつけるように優里を見たのは何も苛立っているからではない。真衣香との関係に変化をもたらすものであるならば、どうしたものかと力んだせいだ。
「うーわ、怖い。裏表ある男って私マジで嫌い」
向かい合う優里も、もちろん負けない。
「はは、悲しいくらい嫌われてるなー。優里ちゃんの中で俺ってどんなイメージなの?」
坪井は全く悲しくなさそうな声で言った。それに対して口元をピクピクと引き攣らせながら優里は答える。
「芹奈を放置してボロボロにした女好きのイケメンとしか。あとまぁ何考えてるかわかんない胡散臭い奴だなって合コンの時は思ってた」
「違いない」と吐き捨てるように笑ったのは優里の評価が決して間違いではなかったから。
「あいつよりは男見る目あるよね、優里ちゃん」
「褒められても全く嬉しくないわ。ったく、よりによって何で真衣香なの、あんたみたいな奴が……」
「ま、そうだろね。青木の身内なら、そう思うよな」
言いながら坪井は真衣香の顔を脳裏に浮かべた。
あの、青木芹那の名前を出されて、その身内が目の前にいて。正直こんなに冷静でいられる自分が不思議だったからだ。
そして、その理由は間違いなく真衣香だと思ったから。
クリスマス……正確には過ぎてしまっていたが、あの日。
傷つけた夜を塗り替えられていなかったのなら逃げ出していたのかもしれない。
(あいつが……どんな俺でもいいよって言ってくれてなかったら)
怖くて、過去に責め立てられるのはごめんだと、真衣香から逃げたのかもしれない。
こればかりは本当に、運が良かったとしか思えない。
「で、別れろって言いにきたの? それとも青木芹那に謝れとかそーゆう感じ?」
「いや、謝れってゆーか、今度芹那と二人で会ってくれない?」
優里はさらりと言った。
「……は? 何で」
今この時点で青木芹那と二人で会えというのか? 真衣香の友人が。