いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
それは今日話してきた中で、明らかに一番大きな声。まわりの視線を気にしないところなんかは、本当に真衣香と正反対の女だ。
「ははは、結局それでしょ、一番言いたかったの」
「だったら何よ」と不服そうに認めて、深く座り直し、ふんぞり返るように腕を組んだ。
その様子に、ますます優里の真意が掴めなくなる。
「……どっちに転ぶにしても芹那に会って。真衣香がこのこと知っても不安にならないように片付けるか、芹那とどうこうなるのか、私は知らないけど」
「どっちに転ぶにしても、ねぇ。結局優里ちゃんはイトコと親友どっちについてるわけ?」
上目遣いで睨んだなら「答えるわけないじゃん」と、しれっと答えた優里。しかし隠しきれない怒りを坪井に向ける。
「でも、とにかく今はあんたが真衣香の彼氏だなんて認めてないから! 虫が良すぎんのよ、一度あんなふうに泣かせといてマジでうざいから!」
言い終えた優里はコーヒーをグイッと全て飲み終えて、立ち上がる。
そして財布を取り出し、千円札を1枚テーブルに叩きつけるようにして置いた。
「……帰るの? てか、貰いすぎ。いらないよ」
「嫌いな男に奢られるほど屈辱的なことないわ。あ、てか連絡先教えて」
言葉の前半と後半が噛み合っていない。
「え、俺の? なんで?」
聞きながら坪井も同じく立ち上がり、優里に「俺も彼女の友達に金出させる趣味ないから」と半ば強引に千円札を突き返す。
それを渋々受け取りながら優里は「今までの会話ちゃんと頭に残ってる?」と、ため息混じりに言った。
「芹那と連絡取り合ってもらわなきゃ、なんだから」
「え? 俺が直接連絡取るの?」
いや、せめて待ち合わせ場所と日時指定してくれるとか、そこまでしてくれ。とは、立場的に言い出せず。
「うん、だって二人で会ってもらうんだから、当たり前でしょ? 私が坪井くんの連絡先芹那に伝えとくから」
「それでいいよね?」と、書き直されても。
(いや、ダメだろ。普通に考えて……立花は、嫌がるんじゃないのか?)