いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
恐る恐る聞いた真衣香の額をポンっと坪井の人差し指が弾いた。
首を少し傾けて、頬杖をついて。
「……痛い」と反応した真衣香に笑いかけながら陽気な声を出した。
はい残念、不正解〜!」
「……不正解」
いつのまにかクイズになっていたらしい。
「そ、不正解。わかる? こうゆう時は、自信満々に、坪井くんそんなに私と一緒にいたかったの?とか思ってくれてたらいいんだけど」
「え!? いや、そんなこと思えないよ」
「あれ、即答なんだ?」
ブンブンと首を縦に振る。
坪井に視線を戻すと、片眉を下げて、少し困ったような笑顔になっていた。
そのあと、天井を見上げるようにして椅子に深く腰掛け「冗談じゃなくてさぁ」と、呟くように言った。
「……なんだろね、面倒ごとの前なんかは1人でいるに限るって思ってたけど」
言葉を区切って、次は真衣香をジッと見た。
「お前には、一緒にいて欲しくなるね」
いつもより少し低くて、でも暖かい声。
そんな声で『一緒にいて欲しくなる』なんて言われ、挙句愛おしそうに目を細めて見つめられたら真衣香でなくても……。
例えば恋愛慣れしてる女子だって。
正気を保てないのではないか。
段々と顔が熱くなってくのがわかって、真衣香は下を向いた。
「そ、それは……その、う、嬉しいような?」
「ん、俺も嬉しい。一緒にいれて」
「……う、うん」
真衣香が頷いたのを合図のようにして。
そこで、なんて事ないように一旦会話を区切った坪井は再びメニューに視線を移した。
(今のって凄い嬉しいこと言われた気がするのに)
会話を広げられなかった自分に少し苛立ってしまった。
真衣香にとっては胸が高鳴る特別な会話でも、坪井にとってはそうではないらしい。
こんなところで経験値の差を感じてしまう。