いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
こんな会話の流れを、嫌だとか重いとか面倒だとか。 そんなふうに思われるのではないか。
仕事終わりのデートに相応しい会話の流れではないんじゃないか。
頭の中に、いろんな可能性が浮かんで、浮かんで。
怯む。
(でも、私は嬉しかった)
『言えよな〜、せっかく2人きりの同期なのにさ』
坪井からの、その言葉が真衣香は嬉しかった。
付き合い始めたとか、そういうものを抜きにしても。
同期だと言って、笑ってくれた気持ちがどうしようもなく嬉しかった。
見ていてくれた人がいて、嬉しかった。
声や形には、することがどうしても難しい心の中のモヤモヤを聞き出して、噛み砕いて。
そして、坪井の中にある声を聞かせてくれたことが勇気になった。 自信にもなった。
だから、真衣香も声にしたかった。
もしかしたら、その考えは自惚れかもしれないのだけれど。
「……営業部のホープだとか、将来有望だとか、坪井は仕事ができるからとか私も聞くよ」
「えー、マジか、総務にまで? ふざけんなよってね。 結構寝る間惜しんでる時あるよー?」
はぁー。と、長く深いため息をついて坪井がダルそうに言った。
(そうだよね。 さすがだとか凄いとかじゃなくて、わかってほしいよね)
真衣香の心にもある悶々としたもの。
形は違えど、坪井にだってあるんだろう。