これは恋ですか。
「そうね。よく似合ってるわ。
素材はいいんだから、普段からもう少しオシャレにしてればいいのに」


「普段?
機械相手に洒落っ気出してもしょうがない。
これでも、華子が恥ずかしくないように気は使ってるつもりだけど?

このスーツ、ちょっと動きにくいな」


スーツ姿のまま、大和がお店の中をウロウロし始めた。
あ、店内の女性客の視線を独り占めしてる。

「ね、あの人、モデルかな?」
「カッコイイね!」

そんな声も聞こえてきた。


人って着ているもの一つでガラリと評価が変わったりするんだなぁ。
あそこでキャッキャッ言ってる人に教えてあげたい。

実はその人、有名な変わり者なんですよ。
普段は、誰も寄り付かないんですよ。


「あら、華子ちゃん、そんな顔しないの。
大和が綺麗にしてると、意外に女の子にモテそうだから、面白くないんでしょ?
ウフフ。正直な子ねぇ、可愛いわ。

大和は、お買い得だと思うわよ。
普段は冴えないけど、決める時は決める男よ。やっぱりなんだかんだ言っでも久我家の人間、育ちの良さが出るわ。
まぁ、時々、変になるけど…それも、天才の宿命よね」


天才の宿命か。
さすが、ジュンさん。
その一言で大和の最大の問題点をサラリと流す。


それにしても、私、面白くなさそうな顔してる?

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