これは恋ですか。
「え、今、ここで⁈」

「そーよ。
皆、この後の展開が気になるじゃない?」

大和は、周囲を見渡して小さくため息をついた。
それから、何も言わずに、放置してあったリュックを手に取って、奥の部屋へと一人で行ってしまった。

「あらぁ。大和ったら。
恥ずかしいのかしら」

大和がいなくなると、囲んでいたお客様もスタッフさんも、散っていく。私の隣にはジュンさんだけが残った。


「呆れられたんです。
私。やっと、わかった。
告白をしたつもりなのに、ふられる気持ち。
こんなに切なくて、悲しいって…わかりました。

仕方ありません。

桜木先生待ってるのに、遅くなっちゃいました。早くお洋服届けないと。
ジュンさん、お騒がせしてすみませんでした。
今度、ボーナス出たらお洋服、買いに来ますね」


私は、あのマネキンをもう一度見た。
大和のヒラメキで、一瞬にして輝きを増したお洋服。
私の気持ちまで、キラキラにしてくれた。
浮かれて、私、調子に乗って。

馬鹿だったなぁ。

泣きたいよ。

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