これは恋ですか。
もう一度、告白
「行くぞ、華子」

ぼんやりと、マネキンを見つめていたら、元の普段着に着替えた大和が姿を見せた。

「ジュンさん、スーツは手直ししておいて」

「それはいいんだけど。
大和、アンタ、どうするのよ?華子ちゃんのこと」

「あ、そうか。
ジュンさん。あのさ」


ーー桜木先生とおんなじウェディングドレス。
もう一着作れる?


大和がジュンさんの耳元でこっそりと囁いたのが、聞こえてしまった。


え…
大和?
それって…


「そうこなくっちゃ!
同じのは、嫌よ。
アタシのプライドが許さない。

華子ちゃんがアンタの隣で着るなら、大和と華子ちゃんだけに似合うピッタリのデザインを考えるわ。

大和のことだから、拓人達のすぐ後にしたいんでしょ?
ワクワクするわ〜二人分のウェディング。しかも一条拓人と桜木いぶき。久我大和と九条華子なんて、最高過ぎ!
アタシのデザイナー人生、最大の大仕事よ!
腕がなるわぁ。
任せて!」


「さ、華子、行こう」


興奮しているジュンさんはそのままに、大和が私の手を取った。


「大和…
さっき、私が言ったことに、呆れてるんじゃないの?」


「呆れる?何に?
恵さんが言ってた意味、やっとわかったよ。
ああいうことは、自分たち以外の奴らに聞かせるのは勿体ない。
二人きりになったら、もう一度聞かせて?」

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