これは恋ですか。
夜のネオンがキレイな、銀座の街。
仕事帰りの会社員、若いカップル、共白髪のご夫婦も、すれ違っていく。


そんな街の中を、大和に右手を引かれて歩き出す。


「華子」


不意に、大和が何かを指差す。


あぁ、前に二人で行った映画館だ。


「あの時、初めて、華子に告白したな。
君の特別になりたいって。
全然伝わらなかったけど。

でもさ、あの時きっとハッキリ好きだって告げたら、華子は俺のこと気持ち悪がって、離れて行くって思った」


「…そうかも、しれない。
私、恋愛って、副社長みたいな王子様が現れて、ふわふわして、キュンとして、甘い甘いものだって思ってた。
でもあの頃の大和は、頭ボサボサ、作業着は汚れて、どう見ても不潔で、王子様とは正反対だったからね」

「今は?」

私は、となりに立っている大和を見上げる。

「…もう一度、言わせるの?」

「俺だけに聞かせて欲しいな」

そう囁いた大和はいつになく甘く微笑む。
その笑顔、反則!
キュンとしてしまった。

「それ、私もなんだけど…」

「…あはは、そうだよな。
よし、じゃあ、付いてきて」


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