これは恋ですか。

「お忙しいところ、すみません、九条さん。
桜木いぶきと申します。
そこに控えているのは、秘書の黒川です。
こんな大きなビルですから、ざっとでいいですよ。黒川がビル内の配置、覚えてくれますし」


桜木先生、すこし低めのそれでいて聞き取りやすい声。秘書さんは、ちょっと強面だけど、こちらも洗練された大人の男っていう雰囲気。


「時間なら大丈夫ですから、早速参りましょう」


案内していると、すれ違う社員が皆、桜木先生を見てる。
きっと後で、あの美人は誰だと皆に質問されるだろうなぁ。


「桜木先生は、アメリカ暮らしは長いんですか?」
「10年です」
「日本に戻られる予定はないのですか?」
「向こうで仕事もしていますし、今さら」


< 48 / 140 >

この作品をシェア

pagetop