これは恋ですか。
救急車より警察が一足早く到着して、桜木先生を刺したらしい鬼のような女を連行していく。
大将が、警察の対応をしてくれた。


救急車が到着する。
救急隊員が、副社長の腕の中から桜木先生を担架に乗せた。


あれ?

先生の目が何かをぼんやり見つめている…?

視線の先を追うと、床の上でキラリと光るものが見えた。

ネックレス…?桜木先生のものかしら。


拾い上げて見てみる。プラチナかな。チェーンとシンプルなリング。多分リングをチェーンで通すデザインだったようだけど、チェーンはちぎれて壊れている。

「…!」

これは…よく見てはいけないものだった。

私は、リングに刻まれた文字に、気づいてしまった。


Takuto &Ibuki Ichijou

一条 拓人&いぶき


お二人の並々ならぬ関係がはっきりと見えた。

くすんだプラチナのリングは、決して新しいものではない。
たぶん、ずっとずっと前から。
深い絆で結ばれていたんだ…きっと。


体が震えてしまう。


私は副社長の姿を探した。


「救急車に同乗しますか?」
「はい」

あ!
副社長、救急車に乗り込もうとしている。

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